
当日一番・極大万券

京都開幕週の厳選勝負
芝のデビュー戦で1番人気に支持されながら4着に敗れたが、⑦フルールドールの内容は決して悲観するものではなかった。スタートを決めながらも控える競馬を選択したのは、陣営が将来を見据えた上での判断。坂井瑠も「バテないタイプに感じたので、逃げていればまた違ったかもしれません。ただ、控えたことで経験は積めました」と振り返っている。
藤原英師も「ジョッキーの判断を尊重しています。結果的には瞬発力勝負になり、この馬の良さが出なかった。距離は延びた方が良さそう」と冷静に分析。実際、母ルフォールはダートで連勝歴があり、馬自身もワンペースながらスピードを持続できるタイプ。2戦目でのダート替わりは、血統背景と馬の個性を踏まえた陣営の明確な戦略だ。
今回の条件替わりに対する感触も良好だ。坂井瑠は「追ってからの反応にやや物足りなさはありましたが、けさの感触からダートは合うと思います」と前向きなコメント。芝では生かしきれなかった持続力が、ダートでこそ真価を発揮する可能性が高い。
中間の調整も抜かりない。1週前追い切りを担当した調教助手は「ワンペース気味ですが、持続力は優秀。これだけ動けていれば充分です」と手応えを語り、師も「レースでは前につけていきたい」と先行策から押し切りを狙う構え。

東京開幕週の厳選勝負
本質はダート向きと見られながら、あえて芝2000mでデビューした⑬テンカムテキが、いよいよ“狙い通り”の条件で2戦目を迎える。
新馬戦は中山芝2000m。当時から「初戦は競馬を覚えさせる」と陣営が話していたように、適性よりも“実戦経験を積むこと”を最優先にした一戦だった。加えて「追走に苦労しないように」という意図もあり、芝中距離でのデビューを選択。フットワークや体つきから見てもダート向きであることは関係者の共通認識で、そのうえでの“慣らし運転”だった。
そして今回、舞台は東京ダ1600mへ。もともと中1週で中山ダ1800m戦を予定していたが、「丹内くんが来週は騎乗できないので、できれば続けて乗ってもらいたい」との理由で、1週スライドしてのローテ変更となった。つまり、条件もジョッキーも“狙い通り”の一戦というわけだ。
中間の追い切りも力強い動きが目を引く。ウッドでの3頭併せでは、2番手からしっかり伸びて併入。チークピーシーズの着用が功を奏したのか、「動きが良化してきた。終いの伸びにもう少し余裕があれば理想ですが、内容としては十分」と師も前向き。馬自身に前向きさが出てきた点も好材料で、芝を一度経験したことで精神面の成長も見込める。
希望の外目の枠を引けたことで、更に一発ムードは高まっている。

京都開幕週の厳選勝負
③メイショウソラフネは近走の着順だけを見て「終わった」と判断するのは、あまりに早計。現場筋の話を整理すると、ここ2戦は敗因が明確で、むしろコンディションは上向いているという声が出ています。
「2走前は休み明けでいかにも動き切れていなかったし、前走のCBC賞は大外16番枠から出遅れて、道中もずっと外々。ペースもスローで差し馬には厳しかった。それでも0秒5差だから、着順以上の内容でしたよ」とのこと。
実際、この馬は重賞でもビッグシーザーやソンシ相手に好勝負してきた実績馬。3走前の京都・シルクロードSでは、G1出走のウインカーネリアンやカピリナとタイム差なしの5着に好走しています。
「とにかく京都コースとは手が合う馬で、昨年のこのレースでも2着。淀短距離SやタンザナイトSでも好走していますからね。季節的にもこの馬は涼しい時期にパフォーマンスが上がる傾向がある。状態面でも、ここは狙えると見ています」(担当者)
その“状態面”を裏付けるのが、今回の調整過程。2週前には坂路で1F11.7(自己ベスト)を記録し、最終追いでは久々にCWを使って6F78.2-63.7-35.7-11.6と強めに追われました。
「最終追いをCWにしてきたのがポイントです。デビュー戦以来のCW追い切りで、時計も攻めてきました。正直、ここまでやるとは思っていなかったので、これは勝負気配だと感じましたよ」(外厩関係者)
また、今回は高杉騎手との新コンビですが、ペース想定からもプラスに働きそう。クラスペディアやグランテストあたりが前で流れを作ってくれるので、その直後のインにうまく入れれば、スペースはできるはず。そこからの末脚に懸ける形になると思いますが、京都なら確実に伸びてくる馬です。
半年の休養明けでも、ここは初戦から勝負ムード。⑤ピエマンソンは、骨折明けでも“通過点”と見ている関係者が多い馬です。その評価の背景には、これまでの戦歴と戦ってきた相手の質の高さがあります。
注目すべきは2走前の中京戦。このレースは馬場が軽く、スピード性能が問われる条件でしたが、その中で馬群の内で脚を溜め、直線でしぶとく伸びてマテンロウコマンドと同タイムの2着。さらに3着テーオーエルビスは3勝クラスを突破し、4着ヘニーガイストも1勝クラスを即突破、6着サノノワンダーはのちに2勝クラスで好走。
つまり、中京の一戦は“今年屈指のハイレベル戦”であり、そこをタイム差なしで走り切った実績は、2勝クラスにいていい馬ではないということをはっきり示しています。
前走はその能力を証明するかのような圧勝。一部では「2着以下のレベルが低かったのでは?」という声もありましたが、その2着馬が次走で1勝クラス2着に好走しており、内容にも疑いの余地はありません。
そして今回はヒザの骨折明けでの復帰戦。とはいえ、陣営は早い段階から「調整過程は順調、むしろ以前より無駄肉が落ちて、筋肉が締まってきた」と前向きな評価をしています。牧場でも乗り込まれ、トレセンでも丁寧に仕上げてきた背景があり、「これで走らなければ逆におかしい」とまで語る厩舎関係者もいます。
助手も「順調すぎて逆にプレッシャーを感じるぐらい」と笑いつつ、「同舞台の前走内容を考えれば、ここも当然勝ち負け」と手応え十分。