函館開幕週の厳選勝負
GI裏の厳選勝負
芝で経験を積んできた①メイショウヤシマのダート替わりに注目。
夏の新馬戦では一度ダートを使われていますが、当時はまだ競馬を理解しておらず、まったく動けていなかった時期。今回のダート起用はその時とは意味合いがまるで違います。陣営も「本当はずっとダートを使いたかった」と語っており、今回は満を持しての条件変更だけに本気度が段違い。
これまで芝ではキレ負けする場面が目立っていて、「芝だと決め手に欠ける。この血統ならダートのほうが断然いいと思う」と関係者の見立ても明快。つまり、芝では“使われていた”が、本質的な適性はダートにあるというわけ。
そのうえで鍵になるのが、先行力。実際に芝でも逃げたときは馬券圏内に残っており、展開面でも「できれば前に行きたい。このジョッキー(松山)なら積極的に乗ってくれるはず」との期待がかかります。さらに、馬場が雨の影響で“脚抜きのいい状態”に傾けば、なおさら追い風になるでしょう。
内枠からロスなく先行できる展開が描ければ、条件好転での変わり身は十分可能。人気が手探りになりそうな今回こそが狙い目です。
GI裏の厳選勝負
先週日曜の阪神12Rでは「安田記記念のあとにクラブのパーティーを行うキャロットFが確勝を期して送り込んできた」という裏事情まで公開したチューワランサが、まさに情報どおりの快勝。2万0680円的中をお届けした。
そして、その時と同じルートから強力プッシュが入ったのが⑫エスタンシア。
初ダートの前走では、スタートして少し促されるとすんなりとハナへ。勝ち馬ジュルナールとは4角での手応えが違い過ぎたが、2着は安泰の内容だった。「スタートが良かったですし、突かれた方が集中できる思ってハナへ行きました。直線の反応は良く、しっかり踏ん張ってくれましたがが、勝ち馬が強かったですね」と、騎乗した吉村誠も確かな手応えを掴んでいた。
今週は軽めの調整で馬なりの追い切りながら、好調をキープ。「前走の内容から、時計が速くなる雨馬場でも対応できる。むしろ乾ききった良馬場よりも合うと思う。ここで決めたい」と、厩舎サイドのトーンも高く、期待の高さがうかがえる。
当日一番情報
横山武が自信を持っているのが⑤タッカージーティー。ここに入れば明らかに力上位の存在だ。2走前は外差し決着でのイン先行、前走はイン差し決着での外先行と、いずれも展開に恵まれない中で見せ場を作っており、「負けて強し」の内容が続いている。特に2走前は世代限定戦ながらメンバーレベルが高く、現1勝クラスでは明らかに格上と見ていい。
本質的に前半のスピードが秀でたタイプで、スタートからの二の脚の速さは1000mでこそ最大限に活きる。1200mでは行きたがる面を見せていたこともあり、助手も「1000mなら折り合いも問題ない。むしろこの条件を狙っていた」と語るなど、距離短縮は待望の一手といえる。
戦法としては「逃げにこだわる必要はない。とにかくこの距離で折り合って走れれば性能で勝ち切れる」と番手から抜け出すイメージも持っているようだ。いずれにしてもここは軸の信頼度はかなり高い。
函館開幕週の厳選勝負
函館3Rで注目すべきは、①メイショウハボマイ。初戦で見せ場を作った素質馬だが、その後に膝を骨折し、約半年の休養を余儀なくされた。ただし復帰戦となった前走は、度外視して構わない一戦だった。
「馬場がまったく合わなかったから、参考外でいい。スピードがあるし、血統的にもダート替わりはプラス。函館でひとつは勝たせたい馬」と語るのは、陣営関係者。
さらに印象的だったのは、担当者がぽつりと漏らした一言
「これ、もっとやれると思うんだよね…」
ベタな言い方ではあるが、長く馬を見てきたスタッフが“気配を感じている”時に出るトーンであり、こうした現場のニュアンスは決して軽視できない。
名前の“ハボマイ(歯舞)”が示す通り、北海道シリーズで結果を出したいというオーナーの意向も色濃く、陣営としてもここは一つ勝負をかけたいタイミング。「この名前なんだから北海道で勝たせなきゃアカンよね(笑)」と冗談まじりに話していたが、その裏にある本気度は取材からも確かに伝わってきた。
また、本田厩舎は北海道開催中、調教師不在の週が多く、助手や厩務員と密なコミュニケーションを取りやすい。彼らの“本音”を拾いやすい厩舎だけに、今回のポジティブなトーンは信頼度が高い。
ここは③ロードリベラシオンの逃げ切りに期待したい。開幕週の函館芝という、先行馬にとって最高の舞台が整った。
確かに、再審査明けのスモーキーゴッドの出方は気になるが、この枠の並びならハナを主張できる公算は大きい。自分の形に持ち込んでしまえば、デビュー戦の内容から距離も克服可能だ。
何よりの魅力は、陣営の自信に満ちたコメントだろう。「前走を叩いた効果で状態は確実に上向いている。追い切りの動きも良く気合も乗っているし、洋芝も合いそう。集中して走ってくれれば」と、言葉の端々から勝ち負けへの意欲が伝わってくる。
馬場、展開、状態の三拍子が揃った今、勝ち切る力は十分にある。